整骨院vsデイサービスvsスポーツ現場:柔道整復師のキャリア完全ガイド

つなぐ先生

こんにちは、つなぐ先生です。今回は整骨院・デイサービス・スポーツ現場で迷う柔道整復師へ。仕事内容、必要スキル、収入の考え方、症例、向く人を臨床10年以上の視点で比較解説します。

柔道整復師の進路は「整骨院」「デイサービス」「スポーツ現場」で求められる力が大きく変わります。本記事では臨床10年以上の経験を踏まえ、仕事内容・やりがい・数字感・症例・向き不向きを“就職後に後悔しない”視点で整理します。

【免責事項】本記事は柔道整復師としての臨床経験に基づく一般情報であり、個別の症状・外傷に対する診断や治療の代替ではありません。症状が強い場合、しびれ・麻痺・夜間痛・発熱などがある場合は医療機関を受診してください。就業条件(給与・業務範囲・保険請求運用等)は施設ごとに異なるため、応募前に必ず確認してください。


この記事の前提

私は柔道整復師として臨床経験10年以上になります。これまで整骨院(保険・自費併設)通所介護(機能訓練指導員)学生スポーツ大会の救護帯同(野球・柔道等)で臨床を経験してきました。

※施設名は守秘のため一部ぼかしますが、駅前型整骨院(ベッド6台規模)」埼玉県内「定員30名規模デイサービス」県大会レベルの競技会救護が中心です。

結論:3職場は「価値提供の軸」が違う

  • 整骨院:痛み・外傷の早期改善 × 来院継続設計(説明力/信頼)
  • デイサービス:生活機能(歩く・立つ等)を上げる × チーム連携
  • スポーツ現場:復帰(Return to Play)までの設計 × 予防と現場判断

比較早見表

比較軸整骨院デイサービス(通所介護)スポーツ現場
主対象急性外傷〜慢性痛高齢者の生活機能選手の外傷・障害・予防
成果指標痛み、可動域改善、来院頻度歩行、立ち上がり、転倒リスク、ADL復帰時期、再発率、判断の質
必須スキル問診/説明、手技、物療設計リスク管理、集団対応、書類評価、テーピング、救護判断
伸びやすい人接遇×改善を両立できる連携型、安定志向競技理解、現場判断が強い

1. 整骨院(接骨院)で働く:王道だが“説明力”で差がつく

1-1. 代表的な業務

  • 急性外傷:骨折、脱臼、捻挫、打撲、肉離れなどの初期対応(アイシング、圧迫、固定、日常指導)
  • 慢性痛:腰痛・肩こりの評価→運動/生活指導+物理療法の組み合わせ(慢性痛の場合は基本的には自費対応)
  • 保険請求の運用:療養費のルール理解、書類整備、患者説明(受領委任の仕組み含む)

受領委任の考え方は一次情報として厚労省の整理が参照できます。[Source]

1-2. 数字で見る「整骨院のリアル」

現場感として、1人あたりの対応は平均10〜20分で回す日が多く、ピークは1日40〜70人/院になることも。
ここで重要なのは、手技の上手さ以上に「患者が理解して通える説明設計」です。

1-3. 改善事例

30代デスクワーク・非特異的腰痛
初診NRS(痛み)7/10 → 2週で4/10、6週で2/10。
介入は「患部だけ」ではなく、教育+運動を軸に組み立てました。慢性腰痛は運動療法や教育の重要性が国際的にも示されています。[Source]


整骨院が向く人
 患者さんと距離が近い環境で成長したい
 問診〜説明〜施術〜セルフケア指導を一気通貫で回したい

整骨院で詰まりやすいポイント
 「手技だけで改善させる」発想に偏る
 説明不足で通院が続かず、改善も追えない

注意(コンプライアンス)
 療養費の取り扱いは制度理解が必須。院の方針が曖昧な場合は、転職前に
 運用を確認してください。厚労省ページは必ず目を通す価値があります。
 Source

2. デイサービス(通所介護):改善は“生活で使える機能”がゴール

2-1. 代表的な業務

  • 機能訓練計画の立案・実施:立ち上がり、歩行、下肢筋力、バランス
  • 集団プログラム運営:転倒予防体操、ストレッチ、体力維持
  • 多職種連携:介護職、看護職、相談員、ケアマネと情報共有

2-2. 公式データで見る市場感

通所介護を含む介護保険サービスは、厚労省が介護給付費等実態統計などで継続的に公表しています(制度・規模感を掴むのに有用)。
[Source]

また、介護サービス事業所の概況も公表されます。[Source]

2-3. 改善事例

要支援〜要介護1・転倒不安が強い80代
「椅子からの立ち上がり回数(30秒)」が6回→10回(8週)。歩行時のふらつき自己評価も軽減。
デイは“痛みを取る”より、生活動作が上がると本人の外出量が増え、結果として痛みも落ち着くケースが多いです。


3. スポーツ現場:最重要は「判断」と「準備」

3-1. 代表的な業務

  • 救護(試合中の急性外傷):評価→応急処置→搬送判断
  • テーピング/サポート:足関節、膝、手指など(競技特性に合わせる)
  • 再発予防の設計:練習量の調整、セルフケア、フォーム・筋機能の課題設定

3-2. 公式ガイドライン

スポーツ大会での医療・救護体制は、(公財)日本スポーツ協会が国民スポーツ大会における医療・救護ガイドラインとして整理しています。
[Source]

また、JSPO公認アスレティックトレーナーの役割説明も参考になります。
[Source]

3-3. 改善事例

高校サッカー・足関節捻挫(軽〜中等度)
受傷直後〜72時間は腫脹管理と保護、1〜2週で荷重・可動域、3〜4週でジャンプ/切り返しへ。
現場で重要なのは「今日は出して良いか」よりも、いつ・どの基準で復帰させるかを言語化する力です。


4. 迷ったらここで決める


初診対応が好き/問診で仮説を立てるのが楽しい
手技+運動+生活指導を組み立てたい


参考文献

本文中で触れた根拠は以下です。

  1. World Health Organization. (2023). WHO releases guidelines on chronic low back pain. https://www.who.int/news/item/07-12-2023-who-releases-guidelines-on-chronic-low-back-pain
  2. 厚生労働省. 柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html
  3. 厚生労働省. 介護給付費等実態統計. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/23/index.html
  4. 厚生労働省. (2025). 介護サービス施設・事業所調査の概況(service24). https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/dl/gaikyo.pdf
  5. 公益財団法人日本スポーツ協会. (2025). 国民スポーツ大会における医療・救護ガイドライン. https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/kokusupo/20250526_JAPANGAMES_medical_rescue_Guidelines.pdf
  6. 公益財団法人日本スポーツ協会. アスレティックトレーナー(JSPO-AT)概要. https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid218.html
  7. George, S. Z., et al. (2021). Interventions for the Management of Acute and Chronic Low Back Pain: Revision 2021 Clinical Practice Guidelines. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2021.0304

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